他科の先生へ

1.急性緑内障発作;こんなcaseがriskyです。

 教科書的に「緑内障患者に禁忌」とされている薬剤がありますが、緑内障のほとんどを占める開放偶角緑内障は、発作の危険はありません。また、閉塞偶角緑内障の方は、眼科で診断されているのであれば、予防の治療(レーザー・白内障手術)を行われていることがほとんどです。ですので、緑内障の既往がある(自分が緑内障であることが分かっている)方は、開放偶角緑内障または予防治療済みの閉塞偶角緑内障の患者さんと言えるため、発作の危険は低いものと考えられます。

 一般に 遠視(遠くは見えるけど、近くが見えない)の方は眼軸が短いため、理論上隅角が狭くなります。高齢な方は、白内障の増悪により水晶体が肥大化するため、隅角が閉じやすくなります。白内障手術で薄い眼内レンズに置換されれば、隅角は広くなるため発作の危険はなくなります。 

 

 以上をまとめますと、下記の条件を満たす方が急性緑内障のhigh risk groupとなり、ほとんどの方が下記全てに該当します。 

  • 眼科通院歴がない
  • 白内障手術を受けていない高齢者
  • 遠視が強い

 緑内障発作の危険がある治療を行う際に参考にして頂ければ幸いです。心配な点がありましたら、是非ご紹介ください。

 

 

2.糖尿病網膜症治療が専門です。

 進行した網膜症は、手術を行ったとしても有効視力には至りません。視力不良が原因で、仕事を失う方もかなり多いものと考えています。多くは通院中断またはDM未診断の方です。中には、DMの内科的治療は受けているものの、眼科は通院中断または通院歴なしの方もいらっしゃいます。初期は視力に支障を来たさないため油断されやすく、「大出血(硝子体出血)・黄斑浮腫を起こして慌てて受診→急いで治療するも有効視力に至らず」の方を、残念ながら時々経験します。

 硝子体注射・網膜光凝固を可能な限り施したうえで、必要あれば最終的に硝子体手術を選択する形になります。網膜専門医による管理が望ましいものと考えます。「糖尿病のことならこの先生に」と思って頂ける医院を目指します。

 

 DM患者さんを診察された場合、一度眼科受診されているか確認いただければ、と思います。紹介状は特に必要ありませんので、眼科受診するようお声掛け頂ければ幸いです。