緑内障;初期は無症状、失われた視野は取り戻せません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 眼内の圧力(眼圧)により視神経が圧迫され、視神経が弱くなることにより視野欠損を起こす病気です。多くは数年~数十年単位で進行する慢性疾患です。

 眼圧は21mmHg以下が正常と言われていますが、体質・外傷・ステロイドホルモン剤の使用などが原因で、眼圧が高くなることがあります。眼圧値が正常でも、視神経が弱い場合に緑内障を起こすことがありますので油断できません(正常眼圧緑内障)。

 治療として、眼圧を下げる点眼が必要となります。ここ数年で目覚ましく進歩している分野であり、初期の段階で治療することで多くの場合は失明を回避できますが、弱くなった視神経を元に戻すことはできませんので、治療が遅れた場合は失明に至ることになります。依然、失明原因の上位となっています。

 

緑内障の症状=視野欠損

 初期緑内障では、ごくわずかな視野欠損であるため、自分では気付きません。中期以降でようやく気付くことになり、その場合は失った視野を取り戻すことはできません

 近年の人間ドックの普及により、自覚症状を伴わない状況で診断が下されることが多くなりました。また、新しい診断機器により、視神経の形状解析も可能となりました。

 

 

新しい器械を使った、視神経解析

 視神経周囲の神経の厚みを解析することで、視野欠損を伴う前(緑内障予備軍)の段階で異常所見を捉える事が出来るようになりました。全く視野異常を起こさない段階での緑内障点眼を開始することにより、緑内障発症を予防することができるものと考えています。 遺伝的背景もある病気ですので、ご家族に既往のある方は、調べてみるといいかもしれません。

下記緑内障啓発サイトもご参考にしてみてください。

http://www.ntg40.jp/

 

緑内障手術=眼圧を下げる手術

 点眼による治療で視野欠損の進行が抑えられない場合、手術が必要となります。

 

ろ過手術

 眼の中の水(房水)を白眼の下に逃がすバイパス路を作り、圧を下げる手術です。最も効果が高い方法です。手術後眼圧が安定するまで、メンテナンス(マッサージ・レーザー・注射など)が必要です。

 

流出路再建術

 房水の流れ出す部分にある網目状の組織(線維柱帯)を切開することで、房水の排出を良くする手術です。効果は線維柱帯切除術より弱めですが、合併症が少ない比較的安全な手術です。

 

隅角癒着解離術

 閉塞隅角緑内障で、隅角が癒着している場合におこなわれる手術です。多くの場合、隅角を広げる目的で水晶体再建術(白内障手術)も併せておこないます。